本人に伝えたくて喉まで出かかったけどやっぱり言えなかった話
先日、職場から息子の保育園へ向かうために自転車を取りにいくと、後輪がパンクしていた。
スクーター - バイク スクーター | ヤマハ発動機株式会社
実際はこのバイクではないし、とりあえずその辺りと思っていただければ。
反射的にすみませんと謝り、息子をそのバイクから離れさせる。
見ると確かに息子が触ったらしい指の線が残っていた。
その年配の店主は話を続ける。
「前にも賠償してもらったりしたんだけど、この場所プラスチックで出来てるんですよ。指で触っちゃうとすぐ傷がついちゃうの。
今は暗くて分からないけど、昼間見るとついてるのすぐ分かるんだよ。
いつもこっちが綺麗にできれてばいいんだろうけどねぇ。そうもいかないし。
(↑確かにうっすら埃が積もっている状態だった)
でもね、前に来たお母さんが言うには、
『そう言うのは最初に言ってもらわないと困る』
って言うんだよ。
でもこっちとしては子どもを見ていてもらわないと困る。
親は子どもがいたずらしないよう見てるもんでしょ?」
続くように、その年配男性の息子であろう中年男性は、
「やっぱりね、なかなか注意しづらいですよ」
と気まずそうでもあり、嫌そうでもあるような表情を浮かべて言ってきた。
年配男性の話はなんだかまだまだ続きそうだった。
私は賠償と言う言葉に恐怖を感じてしまい、静かに話を聞いて、また何度かすみませんと繰り返した。
年配男性はこれ以上傷をつけられたらたまらないと、そのバイクの周りに劣化しかけのダンボールをいくつか置き、防御線を張る。
私は私で息子をバイクの近くに寄らせないことに細心の注意を払った。
パンクの修理はまだ終わる様子がない。
息子に気を配りながら、待つ間先ほど言われたことなどを考えた。
私たち親子より前に来た親子の言い分、「触らないでと先に言ってもらわないと困る」も、分からなくもない。
ただ店主の「子どもが売り物を触らないように見ているべき」も分からなくもない。
だからこそ、どっちが正しいのかと分からなくなった。
私も親として、客としての意見なら、やはり最初に言ってもらった方が助かる。
注意しづらいと言う思いを店側が抱えているなら、「触らないで」と張り紙をするか、最初に一言「すぐ傷になっちゃうから、お子さんが触らないように見ててね」と言えば、嫌な気はまったくしないと思った。
そして三十路を間近に控えて初めて知ったのは、
- 該当のバイクの赤丸で示した部分がプラスチックだったこと
- 触ると目に見えるくらい傷ついてしまうこと
だった。
この2点は免許を持っている方なら分かるものなのかすら、私は知らない。
車や原付の免許は持っていないからだ。
それも相俟って、やはり事前に教えてもらえたら、私も気をつけることが出来たなと、そう思った。
今後の参考になるのなら、一意見として自分の行き着いた意見を言おうと思った。
だけど逆上されても困るな…怖いな…という思いが強くて、パンク修理が終わり代金を支払い終えるまでに何度か言い出そうと思ったけど、最後の最後まで言い出すことは出来なかった。
最後に「ありがとうございました」とお礼を言ったけど、無視されてしまった。
帰り道、これは子どもに対しても言えるよな、と考えた。
子どもは知らなくてやらかしてしまったことが、私たち大人にとっては周知の事実で、それを子どもも知っている前提で「なんでそういうことするの」と怒ってしまうことがあるよね。
それと似ているなって。
あれ、似てない?
と言うか私の言いたいこと伝わってる??
…結局私は愚痴りたかっただけなのかもしれないけど、少し前の話だし記憶として残しておく。
そして今後の対策として、余程のことがない限りあの店には近づかないようにすることにした。
その方が、自分にとっても精神的に楽だ。
さ、連日寝不足だから早く寝ないと。マズイ。