てきとうしんぐるまざー

シングルマザー4年目。適当に好きなことをして生きています。あー楽しい。

本人に伝えたくて喉まで出かかったけどやっぱり言えなかった話

 

先日、職場から息子の保育園へ向かうために自転車を取りにいくと、後輪がパンクしていた。

今の家に越してから早3年、初めてのパンクだった。
 
最初はまったくパンクに気付かず、ずいぶんとダイレクトに地面の振動が伝わるなーと思っていた。
そのまま走り続けていつもお世話になっている自転車屋さんを通過してしまい、保育園へ。
そこで恐らくパンクであろうと気付く。
いつも行く自転車屋さんは家と反対方向だったから、息子と共に家までの帰り道にある小さな自転車屋さんへ向かった。
 
その小さな自転車屋さん…は、多分自転車屋さんじゃない。
本来は恐らくバイクをメインに扱う店で、店内にはぎっしりとバイクが敷き詰められていて、店内に入れたものではなかった。
外までもバイクが並んでいる。
どうやら2代でこの店をやっているらしい。40~50代男性と60~70代くらいの男性2人だ。
内装はものすごく古い。
外観もずいぶんとサビにまみれていて、失礼ながらこんな時じゃなきゃ寄り付かないと思った。
 
閉店間際に滑り込み、店の前の道路を白線1本で区切る歩道で修理を待つ。
息子が飽きないように、飴玉を一つ口に放った。
やはりパンクしているのかなーどうなのかなーと目の前の作業を見つめながら、息子が道路に飛び出さないことに気をつけていた。
すると、いきなり年配の店主が声をあげた。
 
「ああー、触っちゃったの?ダメだよ触ったら、前にも子どもさん連れたお母さんが来てねぇ…」
 
こちらが気付くと、どうやらバイクに興味を示した息子が、バイクの一部を触ったようだった。
ヤマハさんから画像をお借りすると、この辺りを触ったらしい。
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スクーター - バイク スクーター | ヤマハ発動機株式会社

 

実際はこのバイクではないし、とりあえずその辺りと思っていただければ。

 

反射的にすみませんと謝り、息子をそのバイクから離れさせる。

見ると確かに息子が触ったらしい指の線が残っていた。

その年配の店主は話を続ける。

 

「前にも賠償してもらったりしたんだけど、この場所プラスチックで出来てるんですよ。指で触っちゃうとすぐ傷がついちゃうの。
今は暗くて分からないけど、昼間見るとついてるのすぐ分かるんだよ。
いつもこっちが綺麗にできれてばいいんだろうけどねぇ。そうもいかないし。
(↑確かにうっすら埃が積もっている状態だった)

でもね、前に来たお母さんが言うには、

『そう言うのは最初に言ってもらわないと困る』

って言うんだよ。
でもこっちとしては子どもを見ていてもらわないと困る。
親は子どもがいたずらしないよう見てるもんでしょ?」

 

続くように、その年配男性の息子であろう中年男性は、

「やっぱりね、なかなか注意しづらいですよ」

と気まずそうでもあり、嫌そうでもあるような表情を浮かべて言ってきた。

 

年配男性の話はなんだかまだまだ続きそうだった。

私は賠償と言う言葉に恐怖を感じてしまい、静かに話を聞いて、また何度かすみませんと繰り返した。

年配男性はこれ以上傷をつけられたらたまらないと、そのバイクの周りに劣化しかけのダンボールをいくつか置き、防御線を張る。

私は私で息子をバイクの近くに寄らせないことに細心の注意を払った。

パンクの修理はまだ終わる様子がない。

 

息子に気を配りながら、待つ間先ほど言われたことなどを考えた。

私たち親子より前に来た親子の言い分、「触らないでと先に言ってもらわないと困る」も、分からなくもない。

ただ店主の「子どもが売り物を触らないように見ているべき」も分からなくもない。

だからこそ、どっちが正しいのかと分からなくなった。

 

私も親として、客としての意見なら、やはり最初に言ってもらった方が助かる。

注意しづらいと言う思いを店側が抱えているなら、「触らないで」と張り紙をするか、最初に一言「すぐ傷になっちゃうから、お子さんが触らないように見ててね」と言えば、嫌な気はまったくしないと思った。

 

そして三十路を間近に控えて初めて知ったのは、

  • 該当のバイクの赤丸で示した部分がプラスチックだったこと
  • 触ると目に見えるくらい傷ついてしまうこと

だった。
この2点は免許を持っている方なら分かるものなのかすら、私は知らない。

車や原付の免許は持っていないからだ。

それも相俟って、やはり事前に教えてもらえたら、私も気をつけることが出来たなと、そう思った。

 

今後の参考になるのなら、一意見として自分の行き着いた意見を言おうと思った。

だけど逆上されても困るな…怖いな…という思いが強くて、パンク修理が終わり代金を支払い終えるまでに何度か言い出そうと思ったけど、最後の最後まで言い出すことは出来なかった。

最後に「ありがとうございました」とお礼を言ったけど、無視されてしまった。

 

帰り道、これは子どもに対しても言えるよな、と考えた。

子どもは知らなくてやらかしてしまったことが、私たち大人にとっては周知の事実で、それを子どもも知っている前提で「なんでそういうことするの」と怒ってしまうことがあるよね。

それと似ているなって。

あれ、似てない?

と言うか私の言いたいこと伝わってる??

 

 

…結局私は愚痴りたかっただけなのかもしれないけど、少し前の話だし記憶として残しておく。

そして今後の対策として、余程のことがない限りあの店には近づかないようにすることにした。

その方が、自分にとっても精神的に楽だ。

 

さ、連日寝不足だから早く寝ないと。マズイ。